テレビ放送に使われる電波には、地上波(地デジ)と衛星放送(BS/CS)の2種類があり、それぞれ異なる周波数帯と伝播特性を持っています。
✅地デジはUHF帯の直進性が強い電波で、建物や山などの障害物に影響を受けやすく、地域や地形によって受信環境が大きく変わります。
✅BS/CSは高周波の衛星電波で広範囲に届きますが、雨や雲などの気象条件に左右されやすいという特徴があります。
沖縄県のように地形が複雑で、基地や高層建物が点在する地域では、電波の反射や干渉、遮蔽(しゃへい)による受信障害が起こることもあります。こうした課題に対応するため、総務省は中継局の設置を進め、地域ごとの電波環境改善に取り組んでいます。😊🎶
このページでは、テレビ電波の基本的な仕組みから、地デジ・BS/CSの違い、沖縄県における地域差、電波障害の原因と対策までをわかりやすく解説します。アンテナ工事を検討されている方や、受信環境にお悩みの方にとって、実用的な情報をお届けします。
テレビ放送で使われる電波は、電場と磁場が交互に変化する「電磁波」と呼ばれる波です。地上波(UHF帯)は約470~710MHz、BS/CS(衛星放送)は約11GHz前後の周波数帯を使用します。送信塔では高周波発振回路とパワーアンプで信号を生成し、送信塔アンテナから空間へ放射します。
さらに、伝播距離や周波数が増すほど自由空間減衰(距離減衰)が大きくなり、BS/CSでは特に雨や雲による🌦️「レインフェード現象」による減衰が顕著です。沖縄のような亜熱帯地域では、通過雲や降雨の影響を考慮した設置が求められます。⚠️
テレビ放送には、大きく分けて「地デジ(地上波)」と「BS/CS(衛星放送)」の二種類があります。各電波は周波数帯・伝わり方・必要な受信機器が異なるため、設置場所やアンテナの選定にも違いが生じます。
地デジとBS/CSの電波特性を比較し、受信機器や設置のポイントまで詳しく解説します。
地上波(UHF帯)は470~710MHz前後の周波数を使い、比較的直進性が高いのが特徴です。送信局から放射された電波は基本的に進行方向を直線的に進むため、建物や山などの障害物に弱く、影や死角が生じやすい傾向にあります。そのため、⚠️遮蔽物の少ない開けた方角へ向けてアンテナを設置する必要があります。
一方、BS/CS(衛星放送)は10GHz前後の非常に高い周波数帯を用います。地上波に比べると電波の到達範囲は広いものの、大気中の🌦️雨や雲の影響を受けやすく、雨天時に受信感度が落ちる「レインフェード現象」が起きる場合があります。⚠️衛星アンテナ(パラボラ)は精度よく衛星の方向へ向けることが重要です。
受信機器の違いとしては、地デジ用アンテナはUHF帯専用の八木式や平面式が一般的です。
BS/CS用はパラボラアンテナと専用のLNB(低雑音ブロックダウンコンバーター)が必要になります。設置時は、建物の屋根上やベランダなど、電波の死角を避けられる場所を選び、ケーブル接続・ブースター調整も含めたトータルチューニングが求められます。
沖縄県は大小160以上の島々からなり、山地・平地・海岸線が複雑に入り組む地形が特徴です。このため、電波の到達距離や受信品質には地域ごとの差が生じやすく、特に離島や山間部、都市部では地デジ電波の陰りやBS/CSのレインフェードが起こりやすくなります。
基地周辺では航空機の航行機器や軍用通信設備から発生する強電界やノイズがテレビ電波の受信に悪影響を及ぼすことがあります。例えば嘉手納基地周辺では地上波アンテナに基地レーダー波が混信し、映像のブロックノイズやチャンネル飛びが発生する事例が報告されています。🚀✨
こうした電波障害を緩和するため、総務省は沖縄本島や離島に中継局を設置しています。識名山中継局(那覇市)や伊計島中継局、宮古島・石垣島中継局などが代表例で、受信不良の解消とサービスエリア拡大により、離島や山間部でのテレビ視聴環境が大きく改善されました。📺🌈
沖縄県は多島海と起伏に富んだ地形が入り組み、地域ごとに電波到達特性が大きく変化します。ここでは本島北部・中部・南部、さらに離島エリアに分けて詳細に分析し、具体的な改善事例を紹介します。✨💡️
テレビ受信で起こる電波障害は、映像の乱れや音切れといった不便をもたらします。ここでは、まず受信不良の原因を明らかにし、適切に診断する方法を解説。そのうえでアンテナの選び方・設置位置の工夫、さらにブースターやフィルターを活用した改善策をご紹介します。✨💡
全国的に「情報格差解消」を目的として、総務省は離島・山間部向けの中継局整備を加速しています。沖縄県では2023年~2025年度にかけて、以下のような新設・更新が進行中です。🌈✨
これらの設備更新により、受信エリアは従来の半径5km圏から7km圏へ拡大。特に地デジUHF帯の直進波が届きにくかった山間部や湾奥地域での映像安定性が大幅に向上しています。
加えて、総務省は地域の電波利用効率を高めるため、共有型中継局の導入を推進。複数の放送事業者が同一施設を使うことで運用コストを抑え、設置候補地を増やしやすくしています。😊
詳しい放送エリアの目安は、A-PAB 放送エリアのめやすを参照ください。
- Q: 地デジが映らないとき、まず何を確認すればいいですか?
A: テレビの受信レベル表示で信号強度をチェックし、アンテナ方向やケーブル接続を確認してください。
- Q: BSとCSの違いを教えてください?
A: BSは民放衛星テレビ(NHK・民放)、CSは専門チャンネルや有料放送が主体です。使用周波数帯はほぼ同じです。
- Q: 離島でも地デジは受信できますか?
A: 総務省の中継局整備によって、多くの離島で受信可能です。ただし局ごとにカバー範囲が異なるため事前にサービスエリアマップを確認してください。
- Q: 強風や台風でアンテナがずれた場合の対策を教えてください?
A: 風圧に強いマスト固定金具を使い、取付け角度を再調整。ブースターで信号レベルを再補償すると効果的です。
- Q: 電波障害を自分で判断する方法は?
A: レベルメーターを借りてアンテナ直下とテレビ端子で信号強度を測定し、差が大きければケーブル/ブースター側の劣化が疑われます。
テレビ用アンテナ工事でお伺いしたときに、
「送電線や電信柱上の変圧器の影響でテレビの映りが悪くなっているのですか?」📺
と、ご質問を受けることがあります。それらから発生する電磁波が、全く影響を与えていないとは言い切れませんが、ほとんどの場合、AM・FMラジオの電波に対して影響を与えると思われます。
テレビ用の電波とラジオ用の電波では、そもそも電波の周波数の違いで性質が異なる(波長や電波の反射・回り込みの仕方等)ためにラジオ電波のようには影響はありません。
そのような場所のご自宅にアンテナ工事で伺う事もございますが、映りが悪い問題の原因は別のところにあります。
ご自宅でのテレビの映りに関する受信設備ですが、
に、大きく分けられます。
大きな枠組みで考えたとき、送り届ける部分、画面に映し出す部分が
共にノイズ(不要な電気エネルギーである電磁波)の影響を受けずにしっかり動作していないとテレビの映りに影響が出ます。
テレビ塔から送信されているテレビ電波信号を、アンテナでノイズなくキレイに受信して、ブースターやテレビコンセントを通してテレビに電波信号を送ります。
届いた電波信号そのままの状態では、テレビやレコーダーで画面に映し出すことはできません。レコーダー及びテレビのチューナー部分の回路を使い画面に表示していきます。
低い電気信号であるテレビ電波信号を、映像用のデジタル信号にするために、高周波電圧に高め(増幅)たり、アナログ信号とデジタル信号を交互に変換したり、圧縮されている信号を解凍したりします。
番組を見たい時には、回路を使い必要な番組のチャンネルだけを取り出します。他の番組のテレビ電波信号やノイズ等も回路を使いノイズをカットしてキレイに映し出します。
このように、テレビ及びレコーダーに内蔵されている電子回路には、届いたテレビ電波信号をキレイにテレビに映し出す重要な役割があります。
テレビの映り悪くなった時には、送り届ける部分と画面に表示する部分のどこで、ノイズ(不要な電気エネルギーである電磁波)が発生しているのかを見極めながら原因を調べていきます。